睡眠障害|広島市南区の内科、循環器内科 広島みなとクリニック|MRI検査 ・睡眠障害

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睡眠障害は、国際分類第3版では64の診断名に分類されていますが、大きく分けると以下の3つに分類されます。

①睡眠の質や量の問題
昼間の眠気が強い、寝つきが悪い、途中で何度も目が覚める、短時間睡眠など。
②睡眠の時間帯(位相)の問題
就寝時間、起床時間が、社会生活上支障があるほどずれる。交代勤務者なども含む。
③睡眠中の異常行動・異常運動
いびきや無呼吸、寝ぼけ、脚が動く、脚がムズムズするなど。
当院では、上記をふまえ、睡眠時無呼吸症候群をはじめとし、ナルコレプシーやむずむず脚症候群などの睡眠障害に対し、適切な検査・診断・治療を行っています。
不眠症については診療の対象外で、精神科、心療内科への受診をお勧めしています。

当院で診療している主な疾患とその特徴について

① 睡眠時無呼吸症候群(閉塞性睡眠時無呼吸)
いびき、日中の眠気、睡眠中の呼吸停止、疲労感、不眠などの症状がある方に検査をお勧めしています。
さらに、高血圧症、2型糖尿病、冠動脈疾患、心房細動、脳卒中を加療中の方には睡眠時無呼吸症候群を合併しやすいため検査をお勧めしています。
終夜睡眠ポリグラフィーにて確定診断を行い、減量、禁煙、マウスピース、CPAP療法など重症度に応じて治療を行います。
詳細は、睡眠時無呼吸症候群のページをご参照ください。

② 過眠症(ナルコレプシー、特発性過眠症)
日中の眠気が強く、短時間の居眠りを繰り返します。食事中など通常眠らない状況下で突然寝てしまうこともあります(睡眠発作)。夜間の眠りが浅い、体の力が突然抜ける(情動脱力発作)、寝入り際にリアルな夢をみる(入眠時幻覚)、金縛りにあう(睡眠麻痺)などの症状が特徴的です。
ナルコレプシーの発症は典型的には10歳~25歳に多くみられます。根気よく治療する必要がありますが、生活リズムの調整や薬物療法により、通常の生活が送れるようになることも多くあります。

③ むずむず脚症候群
主に夕方や夜間に、安静にしている時に、脚を中心に不快な感覚(むずむず、虫がはうような、痛い、痒い、しびれるような、など)が始まったり悪化したりし、じっとしていられなくなり、歩くなど脚を動かすと症状が軽くなるのが特徴です。
不眠(特に入眠障害)の重要な原因の一つになります。
カフェインやアルコール、ニコチン、鉄欠乏性貧血、腎機能障害などで症状が悪化するため、生活習慣の改善と薬物療法で症状の改善が期待できます。

④ 周期性四肢運動障害
睡眠中に四肢(主に脚)に周期的な動きが生じて、中途で目が覚めやすくなったり、日中に眠気が出たりして、日常生活に影響を及ぼします。脚の動きは、自分では気付かないことも多くあります。
むずむず脚症候群、睡眠時無呼吸症候群、レム睡眠行動障害、ナルコレプシーと併発して認められることがあります。

⑤ 概日リズム睡眠障害
睡眠時間帯が、社会生活を送るうえで支障をきたすくらい大きくズレて起こります。
怠け病と間違われることもありますが、下記の症状が当てはまる場合、「概日リズム睡眠障害」の可能性があります。
<概日リズム睡眠障害のパターン>
〇睡眠・覚醒相後退障害:一番多く認められます。眠るのが明け方頃になり、昼頃に目が覚めるなど、社会生活を送るうえで支障が出ますが、睡眠時間は正常なことが多いです。遅刻や欠勤の原因になるだけでなく、全身倦怠感や立ちくらみ、うつを生じることがあります。
〇睡眠・覚醒相前進障害:夕方頃から眠くなり、深夜~早朝に目が覚めます。高齢は危険因子になります。
〇不規則睡眠・覚醒リズム障害:明確な睡眠・覚醒の24時間のリズムの欠如が特徴で、睡眠と覚醒の時間帯が不規則となり、24時間を通して不規則な睡眠を繰り返します。
〇非24時間睡眠・覚醒リズム障害:体内時計のリズムと24時間の明暗周期が合わないことにより、不眠や過度の眠気を生じるのが特徴です。典型的には、体内時計のリズムが24時間より長く、就寝時間と起床時間が毎日少しずつ後ろへズレていきます。
これらの概日リズム睡眠障害は、生活習慣が原因で起こりやすいため、生活習慣を変える努力や強い意志が重要で、生活リズムの改善、体内時計を整える治療により改善を目指します。

⑥ レム睡眠行動障害
睡眠後半のレム睡眠時に起こりやすく、男性、50歳以上、喫煙者に多い疾患です。
周期性四肢運動がよく合併し、ベッドパートナーの睡眠を妨害することがあります。
発症前に、寝言、睡眠中の大声、脚の痙攣などが長年続いていることがあります。
レム睡眠行動障害発症から10年以上経過してから、パーキンソン病やレビー小体型認知症など神経変性疾患に発展しないか、注意が必要です。
<レム睡眠行動障害の特徴的な症状>
夢の中と同じように動いてしまう。悪夢のことが多く、暴れることもあり、本人や家族がケガをすることもあります。
目が覚めれば、普通の状態に戻り、夢の内容を思い出します。

これらの病態について、診察、検査を行い、診断、治療を行います。
ご心配な方はご相談ください。